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パスキー認証の導入費用と比較|Auth0・Cognito・Hanko

パスキーの導入を検討すると、最初に「いくらかかるのか」と「どこに頼むのか」が問題になります。外部サービスの料金は多くが月間ログイン利用者数(MAU)で決まり、同じ利用者数でも方式によって月額が数十倍変わります。ここでは導入の方法を 3 つに分け、主なサービスの公開料金を利用者数別に並べます。

本記事の料金は 2026 年 9 月時点の各社公開情報です。ドル建ての料金は 1 ドル 150 円で円に直した目安 で、括弧内が公式の金額です。為替と税の扱いで実際の支払額は変わります。最新の料金は各社の料金ページをご確認ください。

パスキーを導入する 3 つの方法

方法ログイン画面利用者のデータ主な費用
自前で実装自社自社開発と運用の人件費
IDaaS に任せるIDaaS の画面が中心IDaaS に預けるMAU ごとの月額
認証だけ API で足す自社自社(公開鍵だけ外部)MAU ごとの月額

自前で実装する場合、WebAuthn のライブラリは主な言語にそろっています。ただし、登録と認証だけでは運用できません。端末ごとの鍵の管理、失効、機種変更や紛失時の復旧、ブラウザや OS の差への対応、監査ログまで作り、その後も保守します。認証に詳しいエンジニアが社内にいて、これを持ち続けられる場合に向いています。

IDaaS に任せる方法は、Auth0 や Amazon Cognito のような外部サービスに、ログイン画面と会員情報をまとめて預けます。導入は速い一方で、既存の会員データベースから移す作業と、海外事業者の規約・データの所在を社内で確認する作業が発生します。

認証だけ API で足す方法は、ログイン画面と会員データベースを今のまま残し、パスキーの登録・認証・失効・復旧だけを外部の API に任せます。外部に置くのは公開鍵と利用者 ID の対応だけです。既存のパスワードログインと併存させながら段階的に移行できます。

主なサービスの料金(MAU 別の月額)

パスキーに対応した主なサービスの公開料金を、月間ログイン利用者数別に計算しました。

サービス1,000 MAU10,000 MAU50,000 MAU
Auth0(B2C Essentials)約 10,500 円($70)約 105,000 円($700)見積り
Auth0(Free)0 円0 円対象外(25,000 まで)
Amazon Cognito(Essentials)0 円0 円約 90,000 円($600)
Hanko(Pro)約 4,350 円($29)約 4,350 円($29)約 64,350 円($429)
SealGate0 円9,800 円49,800 円
PASUTTO(NTT テクノクロス)見積り見積り見積り

計算の前提は次のとおりです。

  • Auth0:B2C Essentials は 1,000 MAU で月 $70(約 10,500 円)、10,000 MAU で月 $700(約 105,000 円)と公開されています。無料プランは 25,000 MAU までで、パスワードレス認証を含みます
  • Amazon Cognito:Essentials は月 10,000 MAU まで無料、それを超える分は 1 MAU あたり $0.015(約 2.3 円)です。パスキーは Essentials 以上で使え、Lite では使えません
  • Hanko:Pro は月 $29(約 4,350 円)で 10,000 MAU を含み、超える分は 1 MAU あたり $0.01(約 1.5 円)です。無料の Starter も 10,000 MAU まで使えます
  • SealGate:その月の MAU が入る帯で月額が決まるステップ式です(税抜・円建て。〜1,000 は 0 円、〜10,000 は 9,800 円、〜100,000 は 49,800 円、それ以上は個別見積り)
  • PASUTTO:100 ユーザー以上・1 年契約で、初期費用と月額は個別見積りです

Firebase Authentication は 5 万 MAU まで無料と安価ですが、2026 年 9 月時点で標準のログイン方式にパスキーがありません。使う場合は WebAuthn の処理を別に用意し、結果を Firebase に渡す構成になります。

表のとおり、1 万 MAU までは無料枠のある海外サービスが最も安くなります。利用者が増えると差が縮まり、5 万 MAU では Cognito が約 90,000 円、Hanko が約 64,350 円、SealGate が 49,800 円です。費用だけで比べるなら、利用者数の見込みで答えが変わります。

費用以外に確認すること

月額の差より大きな影響があるのが、次の 4 点です。導入した後に変えるのが難しいので、見積りの前に確認します。

  1. 利用者の何を預けるか:氏名やメールアドレスまで外部に置くのか、公開鍵と利用者 ID の対応だけで済むのか。前者は既存の会員データベースから移す作業と、個人情報の委託先としての管理が発生します
  2. ログイン画面を自社で持てるか:外部の画面へ遷移する方式だと、ログインのときだけドメインと見た目が変わります。画面を作り込める範囲もサービスごとに違います
  3. パスワードとの併存と復旧:既存の利用者がいるサービスでは、しばらくパスワードと併存させ、端末を失くした利用者の復旧手段を用意します。この仕組みが製品側にあるかで、自社で作る範囲が変わります
  4. 契約とサポート:海外事業者の規約は英語で、準拠法が国外のことが多くあります。社内の情報セキュリティ規程で外部委託先の審査がある場合は、日本語の契約書と国内の窓口が必要か確認します

自前で実装する場合の作業範囲

外部サービスを使わない場合に作るものを挙げます。見積りを取るときの項目として使えます。

  • 登録・認証の API(チャレンジの発行と署名の検証)
  • 1 人の利用者が複数の端末を登録・削除する画面
  • 失効(端末の紛失・退職)と復旧(本人確認後の再登録)
  • パスワードとの併存と、パスワードを止める期限の管理
  • 監査ログ(誰が、いつ、どの端末で登録・認証・失効したか)
  • OS・ブラウザの更新に合わせた動作確認と保守

とくに復旧と保守は、公開後も工数がかかり続けます。認証の担当者が異動や退職をしたときに引き継げるかも、自前で持つかどうかの判断材料になります。

方法の選び方

  • 利用者 1 万人以下で、海外サービスの規約に問題がない:Hanko や Cognito の無料枠から始めるのが最も安く済みます
  • ログイン画面と会員データを自社に残したい:認証だけを API で足す方式を選びます
  • 認証に詳しいエンジニアがいて、長く保守できる:自前で実装できます
  • 社内規程で国内の契約・窓口が必要:国内の事業者から選びます

当社は、認証だけを API で足す形の純国産パスキー認証基盤「SealGate」を提供しています。預かるのは公開鍵と利用者 ID の対応だけで、ログイン画面と会員データは開発者の手元に残ります。パスワードとの併存期限、復旧、監査ログ、MAU の確認は管理画面から行えます。1,000 MAU までは無料で、その日から始められます。導入の手順は「パスキー導入の手順」にまとめています。

出典

よくある質問

パスキー認証の導入にはいくらかかりますか?

外部サービスを使う場合は、月間ログイン利用者数(MAU)で月額が決まるものがほとんどです。1 万 MAU までは無料枠のあるサービスが多く、5 万 MAU では月 5 万〜9 万円ほどが目安です。自前で作る場合は、開発と保守の人件費がかかります。

Firebase Authentication でパスキーは使えますか?

2026 年 9 月時点で、Firebase Authentication の標準のログイン方式にパスキーはありません。使う場合は WebAuthn の処理を別に用意し、その結果を Firebase に渡す構成になります。

IDaaS に任せる方法と、認証だけを API で足す方法の違いは何ですか?

IDaaS はログイン画面と会員情報をまとめて外部に預けます。認証だけを API で足す方法は、ログイン画面と会員データベースを自社に残し、外部に置くのは公開鍵と利用者 ID の対応だけです。

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